さすらい
wandern

z.B. 歌曲集『美しき水車屋の娘』 第1曲「さすらい」
   歌曲集『冬の旅』 第1曲「おやすみ」

 男の自立は、「さすらい」の旅から始まります。一人前の職人になるべく、自分にあった親方を探す旅。結婚が許されない職人時代の若者は、恋をしても苦しい思いをするばかりです。
 『美しき水車屋の娘』は、「さすらい」から始まります。粉ひき職人になることを決意した若者は、よい親方を求めさすらいの旅にでます。そして、未来への希望をもったさすらいの旅は、不安感をかかえつつも足どり軽く始まります。
 同じ「さすらい」でも、『冬の旅』第1曲「おやすみ」では、ふられた後の冬の夜、とぼとぼ歩き出す様が描かれています。

ピアノソナタ イ長調 D.959

 人生最期の孤独な旅へのさすらいの音楽。望みを絶たれた諦めの感情が、後半の楽章では、ためらいつつも天上の世界に希望を抱いているようであり、聴く者は救われます。