幸福
Seligkeit

z.B. ピアノ五重奏曲『鱒』 イ長調 D.667
   八重奏曲 ヘ長調 D.803
   シンフォニー第2番 変ロ長調 D.125

 明るい陽光の中を、親しい仲間と共に街中や郊外を散歩しているような、平和な気分に溢れたこれら作品は、シューベルトの大きな魅力です。
 シューベルトの内面の告白に同調し、気分もつい落ち込みがちになりますが、実は根は明るい作曲家だと信じています。
 悩みや痛みなどは、これらの作品を聴きながら呼吸をすれば、全て吹き飛んでいってしまいます。

16のレントラー(ウィーン女のレントラー)

 当時のウィーンでは、だれしもがワルツにうかれ、毎夜ダンスホールに集まり、夜通し踊っていたということです。
 シューベルトの仲間は、しかし、そのようなダンスホールに行くようなお金も積極性もなく、シューベルトに、舞曲を書いてもらい、彼の弾くピアノに合わせて踊っていました。シューベルティアーデの仲間が踊るために、シューベルトは実に500曲あまりの舞曲を作曲したのです。そのほとんどはピアノのための作品です。
 レントラーという舞曲は、南ドイツやオーストリアで流行っていたもので、いくぶんゆったりとした舞曲。仲間たちと共に、歌い、踊る、幸せなシューベルト像が、これらの作品を聴いていると浮かんできます。